首都ジャカルタがあるジャワ島は東西に細長い形状をしており、ジャカルタから飛行機で1時間、ジャワ島の中部に位置するのが中部ジャワ州です。
◯政治および経済の中枢であり民族性に富んだ王宮文化を今なお伝え続けている島、ジャワ島
ジャワ島はインドネシアの中心となる島で、大きさは日本の本州の半分強。面積ではインドネシア全体の7%にすぎませんが、人口では60%を超える約1億2400万人で人口密度は981人/㎢となっています。ジャワ島はおよそ三分の一ずつで西部・中部・東部に分けられ、それぞれ違った歩みをしています。住民も西部はスンダ人、中部・東部はジャワ人が多く暮らしています(民族系統はいずれもマレー人)。
ジャワ島の気候は主に3つに分けられます。ジャワ島西部は熱帯雨林気候、中部より東はモンスーン気候、東の地域はサバンナ気候となっています。11月から3月が雨季、4月から10月が乾季となり首都ジャカルタの平均最高気温は32℃、最低気温は25℃です。乾季の1ヶ月の降水量は平均100㎜以下、雨季は毎月200㎜以上の雨が降り、最も降る月は400㎜以上になります。
◯3つの世界遺産がある中部ジャワ
中部ジャワ州は、スマラン市、マゲラン市、スラカルタ市、パカロガン市、テガル市、サラティガ市の6市(Municiaplity)と、JAPANTECH INDOJAYAのあるクラテン県を含む29県(Regency)の全部で35の地域から構成されています。州都スマランはインドネシアの五大都市の一つで人口は約164万人、オランダ領東インド時代からの貿易港として知られています。
スマランから少し足を延ばせば、数多くの遺跡や3,000メートル級の山々、美しい海岸、豊かな自然が残っています。なかでもボロブドゥール寺院群、プランバナン寺院遺跡群、サンギラン初期人類遺跡は、世界文化遺産に登録されています。
インドネシアの文化の中心地ジョグジャカルタには、世界遺産に登録された2つの壮大な寺院群のプランバナン寺院群とボロブドゥール寺院遺跡群があります。プランバナン寺院群は9世紀に建立されたヒンドゥー教寺院群で、その優美な建築様式と精巧な彫刻が見る者を魅了します。一方、ボロブドゥール寺院遺跡群は世界最大の仏教遺跡として知られ、その巨大な規模と複雑な構造が圧巻です。
<プランバナン寺院群:ヒンドゥー教の壮大な建築美を堪能できる世界遺産>
(photo by Pixabay)
<ボロブドゥール寺院遺跡群:古代ジャワの神秘に触れることのできる世界最大の仏教遺跡>
(photo by Pixabay)
◯中部ジャワの歴史・文化
7世紀頃から数々の王朝が栄えた中部ジャワには、ジョグジャやソロを始めとして今でもスルタン(王様)がいて民から愛されています。ジャワ古代史では7世紀以前を西部ジャワ時代、8世紀から10世紀前半までを中部ジャワ時代、その後の10世紀前半から16世紀初めまでを東部ジャワ時代に大きく分けられます。
各地域に独特な伝統文化が残っていて、中部ジャワには世界無形文化遺産に登録されているワヤン・クリット(影絵芝居)、伝統舞踊、バティック(蝋けつ染め)などの独特の文化が残っています。
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◯インドネシア第3位の国際貿易港、タンジュン・エマス港(Tanjung Emas Port)
州都スマラン市には、ジャカルタ港、スラバヤ港に次ぐインドネシアで3番目に大きな国際貿易港のタンジュン・エマス港(Tanjung Emas Port)があります。スマランはタバコ・ゴム・砂糖などの集散地として発展し、オランダ統治時代に鉄道が敷設されて以降、タンジュン・エマス港は内陸部からの農産物の積出港となりました。
肥沃で人口密度が高いジャワ島の中部にある海岸の中心に位置しており、近年では近くの工業団地とともにジャカルタを補完する役割を果たしています。港湾開発には日本企業も参画するなど、日本との関係も深い港です。 インドネシア最大の港タンジュン・プリオク港が能力の限界に達しているため、代替港として位置付けられており、現在も港湾面積や水深の拡張工事が行われています。
一方で、インドネシア最大の貿易港のジャカルタ港は、地区名から別名タンジュン・プリオク港(Tanjung Priok Port)とも呼ばれます。近年の経済成長を背景に貨物の取扱容量不足が懸念されていますが、2016年にはNPCT(New Priok Container Terminal)1が操業され、現在NPCT2&3の拡張工事も進められています。
ジャカルタ中心地までは約17kmですが、慢性的に渋滞が発生しており、場合によっては2時間前後の時間を要します。今後のさらなる経済成長に伴う貨物量増加で渋滞がより深刻になることから、ジャカルタから東に120kmの位置にあるパティンバン港の開発も進められています。現在は自動車ターミナルのみ稼働していますが、コンテナターミナルと周辺道路の整備も進められており、2025年の完成が予定されています。
ジャカルタに次ぐインドネシア第2の国際貿易港はジャワ島東部に位置するスラバヤ港です。別名タンジュン・ペラック港(Tanjung Perak Port)とも呼ばれます。同市の周辺には工業団地が多くあり、日系企業の工場や物流倉庫も多数進出しています。高速道路も整備され、インドネシア東部地域の経済活動の中心として、物流機能の向上もますます期待されています。
◯中部ジャワのなかでも最も裕福な県の一つ、クラテン県
JAPANTECH INDOJAYAのあるクラテン県は、北はボヨラリ県、東はスコハルジョ県、南と西はDIYジョグジャカルタと隣接しています。面積は701.52平方キロメートルで、人口は 2023 年半ば時点での公式推定で約128.4万 人です。中部ジャワ最大のヒンズー教寺院であるプランバナン寺院があり、他にも砂糖博物館、デレス・インダ観光公園など歴史ある文化と豊かな自然の調和した地域です。
ジャカルタからの交通手段は飛行機、電車、バスがあります。飛行機では最寄りのSOCアディスマルモ国際空港を利用して約1時間10分、料金は約1万円弱です。電車ではARGO LAWU列車を利用して最速で約6時間30分、料金は約6千円強になります。
JAPANTECH INDOJAYAにお越しの際には商談だけでなく、中部ジャワの文化や歴史に触れていただきたいと思います。
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