多様な文化と豊かな自然を持つインドネシアの特産品は世界中から来る観光客に人気があります。もちろん日本人にも愛されている特産品がたくさんあります。そこで今後数回に分けて、日本の人々に愛されるであろうお土産にもなるインドネシアの特産品についてご紹介していきたいと思います。まず最初にインドネシアのチョコレートからスタート。
(1)Chocolate Monggo
インドネシアのカカオ豆に注目したベルギー人オーナーが、スマトラ産カカオを100%使用して作る「Monggo(モンゴ)」というチョコレートがあります。Monggoとはジャワ語で「Please(どうぞ)」の意味です。

ジャワ島中部南岸に位置するジョグジャカルタで作られているブランドで、配合している油脂には一般的な植物性油脂を使わずに「カカオバター100%」で作っていることが特徴です。そのため価格は日本で一般的な板チョコ形状の製品で300~400円くらいと少しお高めです。パッケージは高級感を感じるオリエンタルな雰囲気で統一されており、フレーバーはスタンダードなものからインドネシアらしく「Red Chili」や「Cashew Nuts」「Ginger」「Mango」など種類も豊富です。



(2)Ubud Raw Chocolate
「Ubud Raw Chocolate」はバリ島ウブドにあるチョコレート店のブランドです。有機カカオ豆を48度以下の低温で加工することで、ビタミンやミネラル、酵素などの栄養素を活かしたチョコレートを手作りしています。併設しているカフェでチョコレートドリンクを飲むこともできます。

日本では「生チョコ」というと生クリームと砂糖を使ったチョコレートを指しますが、インドネシアなど諸外国ではカカオ豆を加熱しないで製造するチョコレートのことを「Raw Chocolate」と呼びます。一般のチョコレートはカカオ豆を100度以上の高温でローストする過程で多くの栄養素は失われますが、熱を加えないRaw Chocolateは通常の製法に比べて約4倍の抗酸化物質が含まれておりアンチエイジング効果を期待出来ます。一方で、水分量が多く保存料を使わないために賞味期限が短い上に要冷蔵のため、お土産として日本に持って帰るには注意が必要です。
特徴は、カカオとココナッツだけから作られていて、カカオとココナッツバター、ココナッツシュガーだけで口当たりなめらかなチョコレートを生み出しています。また、乳製品や白砂糖も不使用なのでヴィーガンにも対応しています。フレーバーは「Pure&Raw」「Raisin&Cashew」「Mint&GojiBerry」「WildOrange&Fig」の4種類があります。

(3)KRAKAKOA
「KRAKAKOA(カカコア)」は、2013年にスマトラで創業したインドネシア産カカオ豆を100%使用したチョコレートブランドです。オーガニック農園で栽培されたインドネシア産のカカオ豆を100%利用し、「Farmer to Bar」というカカオ農家に栽培方法や収穫方法、焙煎などの教育や機材提供などの支援をしています。
世界最高峰のチョコレートを決めるイギリスのチョコレート選考会「Academy of Chocolate」でインドネシア発のブランドとして初めて受賞し、合計8つの賞を獲得した実績があります。
種類は豊富で、カカオ含有率の違いで5種類あります。ダーク系は100%、85%、70%、ミルクチョコレートは60%と45%になります。カカオ100%は砂糖が含まれていないのでビターでカカオの味が最もストレートに感じられます。さらに産地別にバリ産、スラウェシ産、スマトラ産と3種類あり、酸味やコクなど産地によって味の違いを楽しめます。パッケージデザインはバリは鳥、スラウェシはトラ、スマトラはゾウがモチーフになっていてインドネシアブランドとしてのこだわりを感じます。フレーバーには、チリ、ジンジャー、シナモン、シーソルト&ペッパー、クリーミーコーヒーがあります。

(4)Junglegold Bali(旧Pod Chocolate)
オーストラリア人オーナーが2010年に創業し、今やバリ島のお土産として有名なチョコレートのブランド「Pod Chocolate」は、2022年さらなる発展とフランチャイズ化推進を目的に「Junglegold Bali」とブランド名を変更しました。

人工甘味料や防腐剤を一切使わず、持続可能なチョコレート作りにこだわっていてカカオ豆だけでなくフレーバーに使われているフルーツやスパイスなども全てバリ島産のものを使っています。さらには完全プラントベースのミルクチョコレートを開発して「Creamy Chocolate」として販売しています。一般的なミルクチョコレートは乳成分を入れますが、牛乳の代わりにバリ島産のココナッツミルクやカシューナッツミルクを使っています。

種類は、チリ、クランベリー、マンゴー、シナモン、ココナッツ、ジンジャー&レモングラス、ローゼラ&カシューナッツ、クコの実&ココナッツ、バナナチップ&クローブなど20種類以上の上に、直営店では全種類無料で試食できます。

(5)Pipiltin Cocoa
「Pipiltin Cocoa(ピピルティン・ココア)」は、インドネシア人姉弟が2013年にジャカルタで創業したチョコレートブランドです。「Beda-Beda itu Enak(違うからこそおいしい)」をモットーにインドネシア各地の異なるテロワール(土壌)や自然環境から生み出されるカカオを原料にしたチョコレートを作り出しています。契約するカカオ農家はアチェ、東ジャワ、バリ、フローレス、西パプア、東カリマンタン地域で2,000人以上にのぼり、彼らの協力のもとその土地に適した発酵方法によって香りの良い質の高いカカオに仕上げ、それを市場価格ではなく独自の基準による適正価格で買い取り自社工場で製造しています。

産地ごとに味わいの異なるチョコレートを揃えていて、東ジャワ島産のカカオを使用した「イーストジャワ65%」、フローレス島産のカカオを使用したカカオ65%、ココナッツシュガー35%の「フローレス65%」、他にも「バリ 70%」「アチェ 84%」があります。


世界中で愛されているチョコレートですが、そのほとんどがカカオ生産国から仕入れたものに付加価値をつけて販売している欧米のブランドです。ここでご紹介したチョコレートは、インドネシアで採れたカカオやフルーツ、香辛料など現地の素材を使い、インドネシアで作られています。日本人は、自然を大切にする文化があり、現在では健康志向が高まっています。チョコレート市場においてはカカオ成分の多いチョコレートが人気で、カカオの栽培から商品になるまでのストーリー性に価値を感じる人も多いと思われます。インドネシアを訪れた際には、これらのチョコレートそれぞれの味わいの違いを楽しんでみてください。

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